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2017/05/14

RADWIMPS《前前前世》の分析

おはこんばんにちは。ぴよたくです。

昨日友人の結婚式がありまして、夜中までずっと騒いでおりました。

バンドサークルのメンツなので音楽の話になることもあるんですが、結構このブログを見に来てくれる人が多いようで、何とも気恥ずかしい限りです。

その中で面白かったのが、後輩が「理論的な解説は専門用語を知っていないと読めない。だからリスナーにとっては、専門用語がない感情的な解説や経歴がまとまっている方が分かりやすし、価値があるように思いがち。」と言っていたことです。

正直その通りなんですよね。音楽番組を見ていてもコードとか音組織の話なんて全くしていませんからね。ですから、このブログの価値を少しでも多くの方に感じてもらうのが当面の課題です。

ということで、今日はこの曲です。



言わずと知れた超有名曲。前前前世。

新宿駅前のユニカビジョン、って言うんですかあれ。電気屋さんの上にある超巨大スクリーンでずっと流れていたような気がします。

今でこそ少し下火になっているような気もしますが、確かDVDが出るんですよね。またそれでドッカーンってなるんじゃないでしょうか。いやはや、羨ましいです。

amazonでも予約注文ができるようですね。DVDとBlu-rayです(2017.06.03追記)


【曲構成】
0'00" イントロ1(8)
0'11" イントロ2(8)
0'21" 1番Aメロ(16+4)
0'47" 1番Bメロ(8+6+4)
1'09" 1番サビ(16+4)
1'35" 間奏(8)
1'45" 2番Aメロ(8)
2'10" 2番Bメロ(8+6+4)
2'33" 2番サビ(16+4)
2'58" 間奏(16+16+8+4.5)
3'54" 大サビ(16+4)
4'20" アウトロ(8+2~)

0'00" イントロ1(8)

冒頭です。何てことないB - Eの繰り返しです。


(早速横道に逸れますが、このB - E《いいんですか》の冒頭にもあります。キーも同じですから、当然使っている音は全く同じです。

このB - Eは役割で書き直せばI - IVとなりこの進行は《いいんですか》においてサビでも使われていますね。ちなみにサビの進行はI -  IV - V - VIです。

かと思うとこのI -  IV - V - VI《ジェニファー山田さん》の中でも使われています。と考えると、彼らが好む音楽的素材が数十曲見たら浮かび上がってくるのかもしれませんね)


伴奏形はジャーンとかき鳴らしっぱなしですが、ギターのメロディーが非常に細かく並んでいますね。

このメロディーが少し不思議なんです。何が不思議かと言うと、Eのコードのところのテンションノートが多いんです。


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テンションって何なのか、簡単に説明しますね。

コード、日本語では和音と言いますが、そのコードがどのように作られているか知っていますか?

楽譜で見たときに音符が縦に3つ重なるように、基本的なコードは作られます(下楽譜の左2つのコード)。そして頻繁にその音の高さが変わったり、いくつかの音を重複したりします(下楽譜の右2つのコード)。



要するに基本的な形はだんご3兄弟のようになります。ただ、場合によってはこの3つの団子の上にさらに団子が重なって4兄弟にも5兄弟にもなります。その4つ目や5つ目の団子のことをテンションノート(ノートは音符という意味)と言います。

ジャズではよくテンションノートが加えられるんですが、ポップスではせいぜい6th、7th、9thの音までです(下の楽譜ではテンションノートを白丸で示しています。また、序数はコードの一番下の音からの距離を示しています)。

(ちなみに6thと13thは一致します。また8th、10th、12thは元々の構成音と一致します。時としてテンションノートは半音上下されます。)
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基本的にはギターの音形は分散和音形になっていますますので、本来ならばテンションノートではない音、上の譜例でいう黒丸の音を頻繁に使うのですが、もう一度メロディーの音を見てみると、白丸の音が比較的多いということが分かります。




次の0'09"のところに「パッパッパッパッパッパッ!!という部分があると思いますが、ここはパソコンのソフトウェアで編集しているんですよね。

よくスコアには"DAW edit"なんて書かれているかと思います。DAW(パソコンで曲を作るためのソフト)でeditしたと、そのままの意味です。

さて、波形を見てみましょう。イントロはこんな感じになっています。(図の左側の方に水色の線が見えると思いますが、これが無音状態です。線が2本あるのは、上が左のイヤホンから出る音、下が右のイヤホンから出る音を示しているためです。紺色よりも水色が多い部分の方が大きい音が出ています。)



その"DAW edit"の部分を少し拡大してみましょう。


これが「パッパッパッパッパッパッ!!です。図にも音が6回ありますし、その間に綺麗に無音部分が挟まっています。

この無音ってエネルギーがありますよね。よくブレイクみたいな形でサビの前に挟まれますが、この時の緊張感は尋常ではありません。ちなみに《前前前世》の中ではもう一箇所、大サビの前にも無音部分があったと思います。


ちなみに、この部分はさっきのコードと同じくEのコードにファ#が乗っているので、完璧に9thの音が含まれているということになります。テンションノートですね。

0'11" イントロ2(8)

ドラムのパターンが変わって「ダンダンダンダン」という風になりました。そういえばイントロ1とイントロ2の入りはシンコペーションじゃなかったですね(大サビの入りはこの要素を使っているでしょう)


コードはG# - E - F#の繰り返しです。単純ですが、あんまり聴いたことはありません。

数字に直すとVI - IV - V - Vということになりますが、VI - IV - V - IIV - V - VI - VIに比べたら圧倒的に使用頻度の低い進行です。

落ち着いてはすぐVに向かうため、どこかつんのめっている印象を受けます(これって茨城弁なんですね。標準語なら「前のめりな印象を受けます」と書けばいいんでしょうか)


イントロ2が終わる直前、0'19"からですが、またもやコードはEです。この部分のギターのメロディーもファ#ということで、"DAW edit"があったイントロ1との共通点がありますね。

もう一度説明しますがファ#Eにおける9thの音です。こういうテンションの音は比較的音が取りづらいんですよ。

じゃあこのファ#は何だったのかというと、歌メロの入りの音なんです。「やっと目を〜」の部分です。

この音がありますからカラオケで歌っても音が取りやすくなってる、という親切設計担っています(本当にそうなのか知らないですが)




…とかやってたらイントロだけでこの分量になってしまいましたね。2回に分けます。

次回の更新をお楽しみに。おやすみなさい!

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